「本気で遊べ」と、注文を待ってる間に上司の喝が飛ぶ。
以前勤めていた職場を辞める日の昼、上司に呼び出され2人で昼食を取りに出かけた。
普段から喝を飛ばす人だが、本気で遊べと叱られたのは生まれて初めてのこと。
話を聞いてると、上司も本気で遊んできたと見受けられた。
「本気で遊べ、お前には本気が足りない」と。
25歳になりたての7月、カツ丼を目の前に本気で遊ぶことと向き合うことになる。

この頃はスティールパンの魅力に惹き付けられ、夢中になっていた。
時を同じくしてこの時期、実家を離れて千葉県市川市に引っ越すこととなる。
音楽の仕事なんてほとんど無かった、だけど時間と友人には恵まれていた。
住んでいた家から歩いて5分ほどのところに江戸川の河川敷。
平日の通勤ラッシュで混み合う電車に向かって、朝からスティールパンを練習するのが日課となる。
仕事に行く前に立ち寄る友人、朝まで飲んでいて帰路の途中の友人、仕事のない友人。。。
不思議と朝から誰かしら友人が遊びに来ては、練習を励まし続けてくれた。
「江戸川にはカリプソが合う」という友人との何気ない会話からタイトルを見出した。

あれから9年。
今でも「本気で遊べ」と叱られたことを、場面場面で思い出したりする。
好きなことをやるには覚悟しろ…と、今では受け止めている。
(2018.4.28)


■「in my room」のセルフライナーノーツを掲載しています■
#01 Mt. Autumnについて(2018.4.27)
#02 River Calypsoについて(2018.4.28)
#03 Tide Turnsについて(2018.4.29)
#04 Savannahについて(2018.4.30)
#05 The Whole Skyについて(2018.5.1)
#06. Yummy Tummyについて(2018.5.2)
#07 Baby Toneについて(2018.5.3)
#08. 七つの子について(2018.5.4)

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